- 4月7日
ご受診をお考えの方々に、当院の診療理念をお伝えしたく存じます。
当院のスタッフはみな中医学=中国流漢方を学んだものです。一般の西洋医学はまず診断をはっきりさせ、それに従い治療方針を考えます。当然のことですね、例えば細菌の感染症なら抗菌薬を、そしてウイルス感染なら抗ウイルス薬を考えるわけです。
それに対して、中医学の基本は「証」に対して治療方針を考えるのが特徴といえます。私は拙著で「証とは多変数の関数である」と表現しましたが、わかりやすく言えば、個々の患者さんが持っている特質や気候などなどによって柔軟に対応を考えることが基本姿勢であると言えましょう。
中医学の教科書をみますと、いろいろな指導原理が書いてあります。中医学というのは、長い歴史のなかで名医Aがこう言った、名医Bがああ言った・・ということを、戦後毛沢東が国家的プロジェクトとしてまとめ上げたものと感じられます。
このHPではそういった指導原理を、ボチボチ紹介していこうと思います。気長におつきあいいただきたく存じます。そんな気長に付き合ってられないと仰る向きには、拙著「落語的漢方のすすめ(2014中外医学社)」「オモシロ漢方活用術(2015中外医学社)」「漢方を本格的にはじめる(2021南山堂)」をご参照ください。(さりげに自著の宣伝でシメるという芸にて失礼いたしましたLOL)
院長 下田哲也
- 2024年5月1日
更新日:2024年6月1日
ここ巣鴨に開業して30年になります。当然ながら齢七十に近くなりまして自らの衰え対策、その第一歩として長年非常勤医として私を支えてくれた北田志郎君に助けてもらう比率を少し高めようと思います。いずれは、彼が院長で私が非常勤医、なんてことを考えてます。
そんな北田君に言われました「先生、今時ホームページも作ってないなんて」ごもっとも、しかしホームページって身もふたもない言い方をすれば「宣伝のツール」じゃないですか。
例えば曰く「当院は最新の超音波検査装置を有し、院長は超音波専門医の資格を持ち・・云々」我が下田医院には最新鋭の検査機器などは全くありません。北田君はいろいろと精神科・プライマリケア関連の専門医資格やら指導医資格を持っているみたいですが、現院長の下田はほとんど持っていません。
では、下田・北田の両名がわずかに誇れるものは何かといえば、精神医学的~東洋医学的知識およびその治療経験の豊富さしかないと思います。漢方医学の基本である「四診合参(望診・聞診・問診・切診を総合して判断すること)」を、誠意をもって実践するだけです。
コロナ禍以来でしょうか、EBM(Evidence-Based-Medicine、臨床研究による確たる証拠=Evidenceに基づいた医療)という概念が一般の方々にも周知のものになっているようです。私とてEBMの意義や価値は十分に評価しているつもりです。でも例えば、私や北田君が個々の患者さんに処方する漢方煎じ薬は成分生薬の割合まで考えれば同一の処方はあり得ない世界なのです。言葉を換えれば「Evidenceを求めようのない~少なくともEvidenceを確認することが困難な」領域なのです(誤解なきよう申し添えますが、例えば高血圧症に対する降圧剤のようなエビデンスが明らかな方法をやらないわけではないですよ。そんな治療もいたしております)。
私たちの基本的な考えにご納得いただける方のご来院を期待しております。お約束できることは「医師としての良心に則った診療をご提供する」ことだけです。